プロカメラマンに教えてもらいながらチャレンジしてみました。

「LED時代の”iPhoneでも簡単に出来る 
美味しい料理写真”の撮り方」

「LED時代の”iPhoneでも
簡単に出来る美味しい
料理写真”の撮り方」

ライター さくら桜子

インスタグラムで、人より綺麗に写真をアップしたいな、そんな想いは誰にでもあるはず。特に自分で作った料理ならなおさらのこと。でも、料理の腕は誰にも負けないんだけど、写真となるとなんかよくわからないし、実際写真とってもなんか違うんだけど・・・そんな人も多いはず。そこで、iPhoneを使って、誰でも簡単に、インスタ映えする美味しい料理写真を撮れる方法をプロカメラマン、上甲尚弘さんに教えてもらいながら、挑戦してみました。

写真撮影のキホン

 上甲カメラマンによると、美味しそうな写真を撮るには、何よりも光が大切とのこと。一番良いのは太陽の光で、全ての色が綺麗に見えるのだそうです。だから、なるべく太陽の光が当たる場所で撮りましょう、との事。でも、ちょうどよくいつも太陽が差し込む時間に写真を撮れるわけではないし、夜に写真を取らなくてはいけない場合もあるし・・・そんな時はどうすればいいの??

「大丈夫です!」

 上甲さんから頼もしいお言葉が。さすがプロ!プロの方もいろんな条件で撮影をしなくてはいけないので、状況に応じてしっかりと撮影されているとの事。でも、私達は、そんなプロ用の機械とか難しい話は聞いてもわからないです。スマホで綺麗に撮りたいんです。大丈夫ですか?

「たぶん大丈夫です・・・」

 あれ?少しさっきと声のトーンが違うような。。。。「スマホでのこだわった撮影は私もやったことがない」との、なんとも素直なお言葉。でも、プロの求めるレベルは必要ないんです。本当に。ちょっとマシに撮れるだけでいいんです。 では、早速、必要なものを買いに行きましょ。

さて、準備、準備。『100均にレッツゴー』

さて、準備、準備。
『100均にレッツゴー』

 早速買いました。100均一で3つお買い上げ。白い発泡スチロールのような板①と、それを立てるブックストップ②。それにスマホを立てるもの③。それに途中から白い紙を敷きました。(ホワイトバランスが取れやすいそうです)

 白い板は、専門用語では、リフレクターというものに使うようです。白くて固定できればなんでも良いとの事。さすがプロっぽい余裕が感じられます。それに、iPhoneを固定するスタンド。ついでに、近所で評判の美味しいケーキを撮影用の被写体として購入。自分のケーキだと美味しく撮れない理由にされてもイヤですからね!

電球は、KKテクノロジーズさんのものを拝借

 照明は、今回、依頼されたKKテクノロジーズさんの電球(タフらいと彩)2種類と、電気スタンド2つを使いました。この電球、とっても小さくて可愛い。こんなに小さくても大丈夫かなと思うくらい。「この電球は、とっても演色性が良いので照明を工夫すれば、とても良い”シズル感”を出せますよ」と、上甲さん。 うー、いよいよ専門用語が登場してきた・・・

”演色性”だの”シズル感"だのの言葉に、ちょっとビビりながらも、まるで自分がプロカメラマンになったような、ちょっとした高揚感を抑えきれないワタクシです。そして、急いでこそっとその専門用語をググる。

シズル感:人間の五感に訴えるみずみずしさ
演色性:色がどれくらい綺麗に見えるか

 ほほぉ~。なるほどね~♫早速、上甲さんに向かって
「そうですよね~やっぱり”シズル感”って大事ですよね~」なんて、言ってみたりする。なんか快感。

早速準備開始!!

 リフレクターを作ってみる。(これも専門用語っぽくてかっこいい!)というか、作ってもらう。だって知らないんだもん。上甲さん、両面テープで買ったばかりの白い発泡スチロールとブックストップを張り合わせました。「よし、完成」。え?それだけ?びびった私は何??

家にあった両面テープ

両面テープをブックストップに貼って、板に取り付けて、もうおしまい。

照明の準備

 あまりにも簡単でノッてきたワタシ。お次は、照明の準備ね。小さくて可愛い電球を、スタンドにくるくると差し込んで、「よし、完成」。え?それだけ?

 「高さ調整のためにそのティッシュボックスもください。」だって・・・「多分大丈夫」って、最初に逃げをかましたからテキトーにやっちゃって終わらせる気じゃないの??と疑いの目を向けるワタクシでございます。

さて、早速撮影開始!!

リフレクターにびっくりした話『影が消えた!!』

 こんな白い板を立てただけでそんなに意味があるの?と疑いの目を向けていたワタクシ。すみません。上甲さん。心より謝ります。いや、この白い板。本当にすごいんです。あるのとないのとでは大違い。照明の反対側に立てただけで、影が消えたんです。というか、影がうすーく綺麗に残ったんです。感動です。あの100均の板にこんな効果があるなんて!

照明の反対側に濃い影がある

反対側の濃い影が薄くなった

※ここではiPhone用のアプリを使い撮影しました。でもアプリいらないんじゃない?と上甲さん。
この後はフツーのiPhoneの写真モードで撮りました。もちろんリフレクターは全部使いました。

※ここではiPhone用のアプリを使い撮影しました。
でもアプリいらないんじゃない?と上甲さん。
この後はフツーのiPhoneの写真モードで撮りました。
もちろんリフレクターは全部使いました。

見慣れた写真・・・(蛍光灯だけ)

 最初に普通に写真を撮ってみました。天井にあった蛍光灯だけ。はい、ワタクシメがしょっちゅう撮る、見慣れた写真です。少しでもよくしようと、フラッシュ焚いたりの無駄な努力のスタート地点。よく知ってます。この写真。

蛍光灯だけの写真

お、面白すぎる!本当に!

 本当にびっくりしました。面白すぎました。遊べました。こんなに光の当て方でケーキの表情が変わるとは!むっちゃ簡単に、楽しく写真が撮れるとは思いませんでした。しかも上手に!蛍光灯とは、全然違うではないですか!

蛍光灯だけの写真

①上側やや後方より(TOPライトのみ)影が出来て照りが出来た。

②TOPライトを消して、スポットライトを前方斜め前から当てた。影が出て立体感も出た。

③①のTOPライトはそのままで、前方斜め全体に照りが出てシズル感が増した。

④TOPライトはそのままで、さらに高い位置からスポットを当てた。クリームの影が消え、ケーキ全体に影が出来た。

⑤TOPライトを少し横に持って行き、全体の影を消した。スポットライトをホワイトチョコに当ててキラッとさせてみた。

⑥TOPライトをさらに横にして、全体を明るめにし、スポットの位置を下げ、クリームに光を当て照りと影を出した。

⑦TOPライトの位置を少し前に出し全体を明るめに、スポット光を中心を少しずらしたら照りが少し抑えられ、優しい感じに。ケーキ全体に影が出来た。

 でも上甲さんは、少し不満顔。ご納得がいっていないご様子。いやいや十分ですって。電球2つでこんなに違うなんて思ってもみませんでした。シズル感が全然違う。ここでこの言葉が、ようやく自分のものになりました。立体感も全然違う。ちなみに、立体感は、影によって生み出されるのだそうです。”影”、考えてもみませんでした。そして、この電気スタンドものすごく便利。首が自由自在に動くので本当に360度好きな場所を照らしてくれます。

 まず、上甲さんから教えてもらった基本的な照明の構成をお教えしますね。スポットライトと、上から全体を照らす照明、それとリフレクターの組み合わせです。 この3つを自分の好みになるように、光の中心を変えたり、照明と料理の距離を変えたり色々やってみると良いのだそうです。実際にやってみて、あらまあ、びっくり。ケーキの表情が本当に違うんです。撮れた写真も全然違うんです。なんというシズル感!(ここら辺になると、専門用語を使っても恥ずかしくなくなった自分がいました。はい。)

パンも撮ってみました。フツーのロールパンがこんなに違うなんて!

①TOPライトだけ。全体に光が広がって少し照りもあって良い感じ。

②スポットライトだけ。光が集まるスポットライトは、照りが強調されて美味しそう。

③TOPライトとスポットライトで撮影。スポットライトの照りだけでなく、パンの断面も綺麗に見えて、シズル感がさらに増した感じ。

写真アプリも試しました。

 楽しいけどもさっきの光をいじった感動を味わっちゃうと、少し物足りないかなー。
でも、これも楽しかった。

「でも、いくら良いアプリを使っても、演色性が低い光を使うと、どうしても不自然になってしまう場合が多いですよ」と上甲さん。ここに至っては、ワタクシの上甲さんを見る目は、キラキラの尊敬の眼差しです。プロって、すごい、すごすぎる。

まとめさせていただきます。

 iPhoneと、ちょとした準備だけでこんなに楽しめて、そしてプロっぽいシズル感のある写真が撮れるとは、正直思っていなかったので、本当に楽しい経験をさせて頂きました。これで、私の料理の腕もこれで”2割増し”間違いなし!『あとは、自分のお好みで』と、上甲さん。プロのすごさを思い知った1日でした。上甲さんありがとうございました。

あとがき

 今回は、KKテクノロジーズさんからの要請で挑戦してみたのですが、照明のすごさを、身をもって、実感することができました。楽しい機会を与えてもらって感謝・感謝です。 「LED電球と言ってもいろいろあるから、少しでも良いものを頑張って作っている」と、加賀谷社長。 でも、、、ワタクシタチにとって電球とスタンド全部足すと、1万5000円を超えちゃうので、ちょっとお財布の中身が。。。 せめて諭吉先生の範囲内でなんとかならないですか、、、なんてダメ元で聞いてみたところ「そうですね、これを機会にまとめて購入できるお得なセット価格を準備しましょう」とのありがたーいお言葉。あとで聞いてみたら、諭吉先生に夏目先生のお釣りが来るお値段にしてくれたとのこと。ありがたや~。

今回の撮影に使用したもの

  • ●iPhone8(買ったばかり!)
  • ●白いB5サイズの発砲スチロールの板(100均で購入)
  • ●ブックストップ(100均で購入)・両面テープ(家にあったもの)
  • ●デスクライト(HC-026T WH) (ニトリさん952円)
  • ●インスタ映えお楽しみ撮影セット (KKテクノロジーズさん 8300円)

【セット内容】

  • E11口金専用スタンド(KKテクノロジーズ 5,980円)
  • タフらいと彩(KKテクノロジーズ ダイクロハロゲン型 4,980円)
  • タフらいと彩(KKテクノロジーズ ミニクリプトン型 4,380円)

カメラマン上甲 尚弘

神奈川県在住。写真専門学校卒業後、アシスタントを2年経験し、スタジオカメラマンを4年務める。
現在は、フリーの写真家として活動中。旅をテーマにした作品を製作中で、asobikaigi.comで配信中。
jworks2011.com
asobikaigi.com

ワタクシさくら桜子

ライター歴10年。桜をこよなく愛する永遠の乙女。誰がなんと言おうと乙女。興味のあるものからないものまで頼まれればなんでも 書いちゃう雑食系女子。趣味は、寺社仏閣巡り。

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